HOME > commmonsmag > PRODUCTS > 『out of noise』全曲解説

commmonsmag

PRODUCTS

2009/03/03 UPDATE out of noise

『out of noise』ライナーノーツ&全曲解説 2009.3.4 on sale

self liner notes ―サカモト本人による全曲解説―

liner notes

1.hibari

試聴する

グレン・グールドというカナダのピアニストのことを調べていたら、夏目漱石の「草枕」の大ファンだったということが分かったんです。「草枕」の冒頭には、ひばりが声だけを残して空に消えてしまうというシーンがあるんですけど、それってとても音楽的だなって。いつか「hibari」というタイトルに使った曲を作ろうと思っていて、ようやくできたものです。

2.hwit

試聴する

これは“ゥィット”と発音するんじゃないかと思うんですけど、英語の古語で……“white”の意味です。最初は「white」という曲名にしていたんですけど、直接的でつまらないので少しひねりました。フレットワークという古楽を専門とするグループに演奏してもらっていますが、言葉から想像してもらう通り白い世界。でも、聴き方によってはカラフルな世界かもしれないですね。

3.still life

試聴する

日本語で言うと“静物”ですね。セザンヌなどが描く静物画の“静物”。英語では“止まった生”みたいな面白い言葉なんですけど、元になったイタリア語は“natura morta”……死んだ生物、死んだ自然なんです。いろんな国の言葉を比較してみると面白いなと。この曲では東野珠実さんに笙を吹いてもらって、清水ひろたか君のギターも入れて、僕は即興でピアノを弾いています。

4.in the red

試聴する

テレビのニュースを見ていたら、火事で焼け出された黒人のおじいちゃんが焼けた家の前で「何もかも失ったけどオレは平気だよ、生きているから」とコメントしてて、それが含蓄があるというか、声のニュアンスが良かったので許可をもらって使わせていただいた。その声に僕のピアノ、フェネスと小山田君のギター、高田漣君のペダル・スティールを重ねてます。

5.tama

試聴する

これは“言霊”、“たましい”の意味の“tama”です。2曲目の「hwit」でも演奏してもらった東野珠実さんに、非常にシンプルに笙を吹いてもらっています。その上に、今回ニューヨークで知り合ったロブ・ムースというまだ20代のバイオリニストの演奏を重ねています。鈴のように聴こえる音は、僕のスタジオで鳴らした炭の音。間とか空間を感じさせるのではないかなと。

6.nostalgia

試聴する

僕の好きな映画監督の1人に、ロシア人のタルコフスキーという人がいて、彼の映画のタイトルに同じものがありますが、それに影響を受けているかもしれません。とても間が空いたピアノの和音だけのつながりに、5曲目の「tama」でも演奏してもらっているロブ・ムースに非常に繊細な……日本語で言うと“かそけき”音でバイオリンを弾いてもらってます。

7.firewater

試聴する

2年前に東大寺のお水取りを見に行ったんですけど、仏教の大切な“行”の中にお神楽や山伏が出てきて、神仏習合というか、すごく古代的な姿が良かった。そのお神楽の音を手持ちのレコーダーで録って使っています。タイトルのような英語は無いんですけど、お水取りでは大きなたいまつを持ってお坊さんがお堂を動き周るので、火と水。ここまでの曲とちがって暴れん坊の曲です。

8.disko

試聴する

ここからの3曲は“北極圏三部作”と呼んでいて、僕が北極圏で録音した音を使っています。この曲のタイトルはグリーンランドにある島の名前。そこに上陸してびっくりしたのは、島中に響くような悲しげな犬の鳴き声。ペットじゃなくてそりを引く労働者なんですね。その声をレコーダーで録って、ループさせてリズムのように使って、小山田君のギターを乗せてみました。

9.ice

試聴する

この曲で使われているのは、ゴムボートで北極圏の海にこぎ出して、氷山がたくさん浮いているところで録った海中の音です。水深5mくらいのところかな。小さな氷の粒々がボートの周りに寄ってきて、“シャワシャワ~”という音をたてるんですが、それがとてもいい音だったので、その音に時間と場所を越えて、また小山田君のギターを入れてみました。

10.glacier

試聴する

北極圏三部作の最後。“氷河”という意味ですね。冒頭の音は、氷河の中に自然にできた三角形の氷の洞窟があったので、そこに入って小さなベルを鳴らしたもの。あと、氷河の氷が解けて流れている音を水中マイクを突っ込んで録ったり。恐らく何千年か前のピュアな水の音をベースにして、いろいろな音を置いていったので、想像しながら聴いてみてください。

11.to stanford

試聴する

これはコトリンゴさんの曲です。去年の8月に行ったロハスクラシック・コンサートで、2人で2台のピアノを使って演奏したんですが、それがとても楽しかったので、ニューヨークに帰ってインスト曲にアレンジして、自分で2回弾きました。僕はあまり人の曲をカバーしたことはない……これまでやったのはローリング・ストーンズと沖縄民謡くらいかな(笑)。

12.composition 0919

試聴する

“composition”というのは曲、“0919”は9月19日のことですね。忘れないようにファイル名に日付を入れておくんです。超整理術……普通ですかね(笑)。携帯電話のCMで使われている曲ですが、こっちが本体。CM版はビートを入れて聴きやすくしているんです。1曲目の「hibari」とこの曲は純粋にピアノだけの曲なので、1曲目にリピートしても自然に聴けますね。

 
フルアートワーク盤
フルアートワーク盤
¥4,500(税込)
2009/3/4 発売

MORE DETAIL

パッケージレス盤
パッケージレス盤
¥1,980(税込)
2009/3/4 発売

MORE DETAIL

アナログ盤
アナログ盤
¥3,990(税込)
2009/3/18 発売

MORE DETAIL

配信盤
配信盤
2009/3/4 発売
commmonsmartでの販売は現在しておりません。

  • ※高音質320kbps mp3と48kHz/24bit AIFF、
    2種類の楽曲ファイルをご用意しております。
 

※試聴にはWindows Media Playerが必要です。
■Windowsの場合
Windows Media ダウンロードセンター
■Macの場合
Windows Media Player 9 for Mac OS X
Flip4Mac(QuickTime Playerのプラグイン)


ページの先頭へ