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2010/07/06 UPDATE #020

BOREDOMS、新たな伝説への軌跡
ドキュメントDVD『77 BOADRUM -the movie-』リリース記念特集

YOU are the 78th member! This is because the sound will spiral outwards,from left to right,like DNA,from deep inside of us right out to you. The 77 drum group is one giant instrument,one living creature. The 77 boadrum will coil like a snake and transform to become a great dragon! -EYヨ

ヤマタカEYヨを中心に、結成当初からメンバーそれぞれの個性的なキャラクターや、実験的なアプローチで知られていたBOREDOMS。
複数台のドラムと+DJ、エフェクト、シンセサイザー、ホーミーなど、幾度となくバンド構成を変え、メンバーを入れ替え、時にはバンド名すら変えてしまう自由な発想のもとで活動してきた彼らが、結成20年目に行った一大プロジェクトがあった。
それを10年来の盟友・川口潤監督が記録、編集したドキュメンタリー映画が『77boadrum』だ。

2007年7月7日、ニューヨーク。ブルックリン橋のたもとで行われたこのイベントには、7時7分に、77人の異なったバンドのドラマーたちが集結した。驚くべきことに、これはこのアイデアに協調した仲間や企業がボランティアに近い形で参加、協賛して開催されたフリーコンサートである。
彼らは1990年代にあのソニック・ユースやニルヴァーナとともにツアーをしていたことがあるくらい海外での評価は高い。ゆえに、この歴史的イベントを観ようと前日から並び始めた人がいたほどの大盛況となり、観客は屋外で繰り広げられた、美しくも力強く、破壊的な演奏に全身で酔いしれていた。

ニューヨーク市民の憩いのスペースに、最も原始的な楽器=ドラムが77台。それらが中央にいるEYヨを起点に、芝生の上を渦を描くように配置されている姿は圧巻だ。そしてひとたび人種も肌の色もまったく異なるメンバー達が一斉にドラムを叩き出せば、その迫力に圧倒されずにいられない!
それと共演するのは中央で舞い踊るEYヨが扱うCDJやディスコミキサー、エフェクト類、そしてスーパーアナログな七本のギターキット。これに野外会場ならではの自然音、聴衆の会話と歓声が交じり合う。まさに魂と魂の共鳴。これぞ、BOREDOMSのライブの醍醐味!
この空間は一度味わったものに強烈な印象を残す。世界中で彼らが熱狂的に支持される所以であろう。
映像は、当日のライブの模様を軸に、事前に行われたドラムリーダーを中心とした2日間のリハーサル風景や、参加アーティストのインタビュー映像などを織り込んで構成される。
だがこれは単なる記録映像ではない。
BOREDOMSが今もなお、その時と変わらずに貪欲にあらゆる音楽や文化を消化し、浄化して、衝撃的で美しい活力に溢れた音楽を生み出し続けていること。それこそが私たちに感動を与えるのではないだろうか。
そう、これはまだ続いている伝説の軌跡。未来に向かう、BOREDOMSの大いなる探求のひと幕にすぎないのだ。

2010/5/28 Shibuya O-EASTライブレポート 空をも突き抜けんばかりのサウンドが、天井に跳ね返されて聴く者の上にダイレクトに降り注ぐ。

近年は77台のドラムを用いたイベント「77 BOA DRUM」をNYで、88台のドラムを用いた「88 BOADRUM」をLAで成功させ、国内外のファンに大きな衝撃を与えてきたBOREDOMS。彼らの実に4年ぶりとなる東京ワンマンが、5月28日に実施された。

ここ数年、海外ツアーや野外ライブが活動の中心となっていた彼らにとって、この日のライブはある意味アウェー。オープンな会場であればあるほど真価を発揮してきた彼らのサウンドが、都心のライブハウスでどのように鳴り響くのか。正直、一抹の不安を胸に会場のO-EASTに足を運んだのだが、ライブがスタートするなり、それが杞憂であることがすぐに分かった。

EYヨ、YOSHIMI、YOJIRO、元ブラック・ダイスのヒシャム・バルーチャ、ザック・ヒル(ヘラ)、ブッチー・フエゴ(ピット・アー・パット)、キッド・ミリオンズ(オネイダ)、ジェレミー・ヘイマン(ポニーテイル)、Shinji Masukoの9人編成で行われたこの日のライブ。ミキサーやエフェクト、そして7台のドラムセットが所狭しと置かれたステージにメンバーが登場すると、1曲目から地鳴りのようなビートが鳴り響く。さらに会場の後方よりドラムを乗せた神輿が登場すると、会場のボルテージは一気にMAXへ! 野外では、空をも突き抜けんばかりの開放的なサウンドが、この会場では、天井に跳ね返されて聴く者の上にダイレクトに降り注ぐ。彼らのサウンドが持つ野性味とスケールの大きさが小さなライブハウスだからこそ、より浮き彫りになっているように感じた。

その後も圧巻のパフォーマンスの連続。時折ミキサーや7本のギターキットに手をかけながら、ステージ上を縦横無尽に駆け回るEYヨ。それとは対照的に、EYヨの指揮のもと統率がとれたドラミングで休みなく叩きつけていくドラマーたち。彼らが放つ、時にシンプルで、時に変則的なビートの嵐に、会場全体は何かにとり憑かれたかのように一体感を増していった。

13曲を披露した本編のあと、アンコールでは遊び心あふれる曲を2曲演奏し、2時間半に及ぶライブが終了。最後、憑き物が落ちたような表情で観客に挨拶するメンバーの姿には、確かな達成感が見て取れた。奔放なエネルギーの爆発と緻密な計算のもとに、他のどんなバンドにも真似できないサウンドを作り上げているBOREDOMS。彼らの鬼気迫るパワーとポテンシャルの高さを、ライブハウスだからこそ改めて実感できた一夜だった。

text/伴 牧子(review)、齋藤美穂(live report)

movie

『77 BOADRUM -the movie-』
予告編映像をチェック!

DVD+GOODS

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ライブ会場とcommmonsmartでしか手に入らない、DVD『77 BOADRUM -the movie-』と「77 BOADRUM BAG」の数量限定スペシャル・セット!!
アナログレコードがすっぽりと入るサイズのバッグはエメラルドグリーンとグレーの2色。男性でも肩から掛けられるよう、持ち手の長さにもこだわっています。

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DVD

[DVD]
¥3,500(税込)
2010/7/7 発売

2007年7月7日にニューヨークで開催された伝説のライブイベント「77 BOADRUM」のドキュメンタリーが待望のDVD化!
BOREDOMSのコンセプトを基に77台のドラムで一斉に演奏された驚愕のライブパフォーマンスは、2008年に記録映画として公開され、全国各地の劇場で大反響を呼びました。
今回のDVD化に当たり、約77分のボーナス映像を追加!!
2010年7月7日、新たな感動をお届けします。

◆「77BOADRUM」本編
◆ボーナス映像
約90分収録予定


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