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2012/08/10 UPDATE #038

WORLD HAPPINESS 2012 都会の夏。リラックスできる、夏。

WORLD HAPPINESS 2012 大前夜祭~音楽解体新SHOW~ 2012.7.14 @恵比寿ザ・ガーデンホール

暑い夏の日差しにすっかり疲れきった大人たちが、やってきたのは恵比寿ガーデンプレイス。
その中にある恵比寿ザ・ガーデンホールにて、2年ぶり4回目の「WORLD HAPPINESS 2012 大前夜祭」が開催されました。

エレベーターを降りると、そこはまるで夏祭りの屋台のよう。
氷水に冷やされた缶ビールを片手にテラスで涼む人や、この日から販売された前夜祭グッズを買い求める人…心なしか、皆はしゃいでいるように見えました。
しばらくゆったりしてからホールに進むと、ステージ後ろに掲げられた「WORLD HAPPINESS 2012」のCMがオンエア中。否が応でも気分は夏に向けて盛り上がります。

そして大前夜祭の幕は上がったのでした。

仙波清彦&カルガモーズ

オープニングを飾ったのは、世界に誇るパーカッショニスト・仙波清彦率いる“仙波清彦&カルガモーズ”。
舞台上が照らされると、そこに現れたのはドラム、タブラ、コンガ、ジャンベ、鼓など、世界中のありとあらゆるパーカッションによるオーケストラでした。後に仙波さんが「今日はメンバーに知らない人がいるんだよね…」「全部で何人いるのかもわからないんだ」と語って笑いを誘った大人数が一斉にリズムを刻むと、お腹の底から脳天の先にまで音が響き渡り、徐々に気分が高揚してトランス状態に。ステージダンサーに誘われるように会場には踊り出す人が現れ、一組目からまさに圧巻のパフォーマンスとなりました。

  • セットリスト
  • 01.intorodction
  • 02.オレカマ

ここで、なんとMCとして現れたのはTHE BEATNIKSの高橋幸宏&鈴木慶一!
大御所・仙波清彦に向かって「30分でたった2曲なんてヒドイじゃないか!」などと冗談を飛ばしてみせる幸宏さんにオーディエンスは大喜び。
幕間に出演者との交流をしてしまう、「WORLD HAPPINESS 2012 大前夜祭」史上もっとも贅沢な司会進行が展開されることになったのでした。

続いて登場したのは、ショッキングピンクのロココ風の王子様衣装とゴスロリ風メイド服に身を包んだ怪しい男女二人組。
実は彼ら、昨夏の「FUJI ROCK FESTIVAL」にも出演し、一躍脚光を浴びたパリ在住の日本人ポップ・デュオなのです。昭和歌謡とシャンソンとエレクトロと一人芝居をミックスした中毒性の高いサウンドと、無表情のままポンポンを持って乱舞するメイドのミーヤ、世界を股にかける王子・トビーの毒が効いた話術に客席はクスクス笑いが止まりません(国際問題に発展する可能性がございますので詳細は割愛させていただきます)。ラストには、フランスと世界のネットユーザーをトリコにした迷曲「レ・ロマネスクのズンドコ節」が登場! 観客を巻き込んだコール&レスポンスと、ダンスに場内は爆笑の渦に包まれました。

  • セットリスト
  • 01.マドアゼーーール!
  • 02.拙者サムライダンディー
  • 03.ジャンフランソワの女
  • 04.レ・ロマネスク ファンのテーマ
  • 05. レ・ロマネスクのズンドコ節
レ・ロマネスク
Open Reel Ensemble

嵐の後のようにざわめく客席の空気を一変させたのは、ステージに現れた一見普通の男性たち。
彼らの背後には6台の旧式オープンリール・レコーダー。一台ずつ息吹を吹き込まれていくオープンリールと、それを操るメンバーの手元をステージ上のカメラが追いかけてモニターに映し出します。オーケストラのヴァイオリン奏者の手元を見ているような、あるいは職人の卓越した技術を覗き見るようなワクワク感に、会場は皆モニターにくぎ付けに。

アートとしても見応えのあるこのパフォーマンス。さらにギター、ベース、カホンといった楽器の生音を絡ませて新たなグルーヴを生み出していく様子はまさに国境を超えて。世界中のオーディエンスを熱狂させる彼らの実力をまざまざと見せつけてくれたのでした。

  • セットリスト
  • 01.Izumi
  • 02.Holon F
  • 03.Recuttent Fever

続いてギター一本を抱えて登場したのはマキタスポーツ。
J-POPのあるあるネタを、毒っ気たっぷりなトークで解説して笑いに変えていく手法で、カルトな人気を誇る音楽芸人です。
さっそくお手並み拝見とばかりに、J-POPの名曲を校歌風に歌ってみせたり、「どこかにいる高橋幸宏さん、ごめんなさい!」とYellow Magic Orchestra「Reideen」と長渕剛との奇跡のマッシュアップを披露するなど、必笑ネタを連発!! 最後には「本日は頭のいいお客さまばかりですから」と独自の分析・解釈による“ヒット曲の法則”をバックスクリーンに映しながら講義を行い、自らの体験を元にしたオリジナル曲「10年目のプロポーズ」を披露。どこかで聴いたことのある歌詞、メロディ、展開を盛り込んだ感動作にホロリとするかと思いきや、バックスクリーンのテロップがタイミングよく被さって最後まで笑いを誘います。終演後には舞台袖で聴いていたというTHE BEATNIKSのふたりがステージに登場し、恐縮するマキタスポーツに「勉強になるなあ」「今度の曲にこの理論を使っていい?(笑)」とニコニコ。大絶賛のステージでした。

マキタスポーツ
清水ミチコ
  • セットリスト
  • 01.サッちゃん替え歌
  • 02.テネシーワルツ
  • 03.愛の賛歌
  • 04.君をのせて(天空の城ラピュタ・主題歌)
     + 渡る世間は鬼ばかり
  • 05.私のフォークメドレー
  • 06.ラバー・カム・バック・トゥー・ミー

続く5組目にはマキタスポーツも「僕の音ネタの原点です」と語る、モノマネ芸人・音ネタ芸人の元祖、清水ミチコが颯爽と現れました。
この日の出演アーティストたちもズラリと並んで見守るステージは、のっけからリクエストに応えて「サッちゃん」の替え歌からスタート。
テレビでもお馴染みの桃井かおり、デビ夫人、えなりかずき、杉本彩、松田聖子らが続々と登場してお祭り状態に!
毒の効いたMCをはさみつつライブの定番「テネシーワルツ」「愛の讃歌」で圧倒的な歌唱力に周囲をうならせ、『渡る世間は鬼ばかりのテーマ』のピアノ伴奏をベースに映画『天空の城ラピュタ』主題歌「君をのせて」を歌うマッシュアップを行って喝采を浴びたかと思えば、メドレーの中にYellow Magic Orchestraに歌詞を載せた矢野顕子ver.の「東風」まで飛び出すころには、もうオーディエンスは彼女に夢中!! 最後には誰もが笑顔になって大きな拍手を送り続けたのでした。
さらにTHE BEATNIKSがMCとして登場すると、ふたりして「矢野顕子ちゃん、似てるでしょ」「ユーミンが本当にそっくりなんだよ」と、モノマネの元になったアーティストを直接知っているからこそのトークで大盛り上がり。非常に貴重なひとときとなったのでした。

大トリは、もちろん高橋幸宏と鈴木慶一のユニット・THE BEATNIKS。
豪華なサポートメンバーもいつもの顔ぶれです。「前夜祭なので、いつもと違った事をやります」「今日のためにリハーサルから楽しんでやって来ました」と、演奏されたのはまさかの全曲洋楽カヴァー! ふたりがバンドを始めた10代の時、ダンス・パーティのハウスバンドをしていたのを思い出しながらセレクトされたというナンバーが続々と登場するのです。
Neil Young 、The Beatles、The Rolling Stones、The Byrdsといった60年代を代表するナンバーを演奏するメンバーはまるで少年のよう。先だって行われた「NO NUKES」に登場したKraftwerkまで飛び出す豪華なラインナップは、まさに大前夜祭の名にふさわしい。

アンコールでは、「8月に来日する前に、僕らがやっちゃいます」とバンドメンバー全員のハーモニーで有名な難曲・The Beach Boys「Barbara Ann」を完全コピー! 「何度かよろめいた(笑)」と苦笑しながらも、なんとセカンドアンコールでは同曲のアカペラVer.にチャレンジして、1300人の観客をの喝采を集めました。「今度はWORLD HAPPINESSでお会いしましょう!」とステージを去るふたりに、そしてこの日出演したすべてのアーティストに向けて、ずっとオーディエンスの大きな拍手が鳴り止むことはありませんでした。

THE BEATNIKS
  • セットリスト
  • 01.Helpless(Neil Young/1970)
  • 02.Help! (The Beatles/1965)
  • 03.Ruby Tuesday (The Rolling Stones/1967)
  • 04.Mr.Tambourine Men (The Byrds/1965)
  • 05.The Lonor(Neil Young/1969)
  • 06.The Model(Kraftwerk/1982)
  • 07.Homburg (Procol Harum /1967)
  • 08.I'll Be Home (Randy Newman /1977)
  • 09.Barbara Ann (The Beach Boys/1965)
WORLD HAPPINESS 2010 ~大前夜祭~

Text:伴 牧子/Photo:南 賢太郎

  • WORLD HAPPINESS 2009 体験レポート
  • WORLD HAPPINESS 2010 体験レポート
  • WORLD HAPPINESS 2012 体験レポート

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